熊本地震

「ショックを通り過ぎて言葉も出ない」 熊本城修復に数十年 清正ゆかりの石垣2/3崩落、文化庁が詳細調査

 文化庁の19日のまとめによると、一連の地震で被害を受けた国指定の文化財は合わせて78件。重要文化財に指定されている阿蘇神社(熊本県阿蘇市)でも、楼門が全壊するなど6件の文化財に被害があった。熊本城総合事務所の河田日出男所長は「ショックを通り過ぎて言葉も出ない」と話した。

再建費用に30億円 日本財団が拠出へ

 日本財団は19日、熊本地震で大きな被害を受けた熊本城の再建費用として、総額30億円に上る緊急支援を決定したと発表した。

 同財団の笹川陽平会長は30億円の拠出について、「熊本城は熊本県民の誇りであり、日本の重要な文化財の一つだ。再建費用はどの程度拡大するか分からないが、ある程度の金額が明示されることで多くの方々に関心を持ってもらえれば」と説明した。

 このほか、全半壊した家屋に住む被災者に対し1世帯あたり見舞金20万円、死者、行方不明者については1人あたり10万円の弔慰金や見舞金を遺族や親族に贈ることも決めた。熊本城再建費用などと合わせて支援総額は93億円に上る。笹川会長は「多くの方が避難所での生活を余儀なくされており、民間組織ならではの機動力と柔軟性を発揮することで、被災者のお役に立てれば」と話した。

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