ビジネスの裏側

第2のエネルギー革命目指す「水素の岩谷」の野望、採算度外視でFCV普及に挑む

【ビジネスの裏側】第2のエネルギー革命目指す「水素の岩谷」の野望、採算度外視でFCV普及に挑む
【ビジネスの裏側】第2のエネルギー革命目指す「水素の岩谷」の野望、採算度外視でFCV普及に挑む
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 LPガス最大手の岩谷産業が水素ビジネスで飛躍を目指している。もともと日本で水素販売の草分けで、国内市場の7割を握るトップ企業。政府が環境に優しい次世代エネルギーとして水素の普及を後押しする方針を掲げ、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)や家庭用の燃料電池の販売が伸びつつあることを追い風に水素社会の到来に向けた投資に本格化する。目指すは、薪や炭で煮炊きしていた台所仕事の負担を劇的に軽くしたLPガスの普及に続く、水素を燃料として活用する「第2のエネルギー革命だ」と鼻息は荒い。(中山玲子)

 ■近づく水素社会

 「水素を活用する社会の実現に貢献したい」

 2月、JR大阪駅北側の複合商業施設「グランフロント大阪」(大阪市北区)で開かれた水素エネルギーのフォーラムで、岩谷産業の野村雅男社長は、こう力を込めた。

 このフォーラムは水素社会を実現する機運を高めるのが目的で、大阪と東京で毎年開いている。トヨタ自動車が26年12月に発売したFCV「MIRAI(ミライ)」は、注文が殺到し納車まで数年待ちの状況。ホンダも29年度以降に個人向けにFCVを発売する見通しだ。FCVは、燃料の水素が空気中の酸素と化学反応し電気と水を発生、電力でモーターを回転させる仕組み。排出されるのは水だけの究極のエコカーともいわれることもあって話題を呼んでいる。

 課題はFCVに燃料を供給する水素ステーションの普及で、政府は全国にある現在約80カ所から今後10年で4倍にし、平成42年までにFCVの販売台数を80万台にまで増やす計画だ。