県立成田北高校(成田市)の元教諭の男性が在職中にコピーした生徒の住所録を使い、同校の卒業生計約300人に「戦争反対、安保法制反対」に賛同の署名を求める内容の封書を郵送していた問題で、同校の土屋俊一校長は19日、県庁で記者会見し「元教諭は無断で個人情報を持ち出し、私的利用した。生徒や保護者に深くおわびする」と謝罪した。
同校と県教委によると、60代の元教諭の男性は退職した平成27年3月ごろに、2学年計600人の住所や電話番号などをUSBメモリーにコピーし、自宅パソコンに保存した。
封書は今年3月、「戦争法の廃止を求める統一署名」と題し、約300人に送付されていた。「9条を守る」「(安保関連法は)武力行使を可能にする悪法」といった内容で、「戦争はいらないネットワーク成田」といった団体名も書かれていた。元教諭は同校などの聞き取り調査に「署名を求めるために持ち出したわけではない」と説明。同校は成田署に相談し、県教委は詳しい調査を進めるが、県教委の担当者は「退職しているため、処分は難しい」としている。