小番被告は「男性が優越的な立場を悪用し、強制的に妻と関係を結んだ」と考え、昨年8月13日朝、弁護士事務所を訪問。男性の顔を殴った上、持っていたはさみで局部を切り落とし、重傷を負わせた-。事件の経緯はこの通りだ。
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今年3月の公判では、妻の供述調書が朗読された。
それによると、妻は実家を出たいと思っており、「結婚すれば実家を出られる」「結婚なんて紙ッペラ1枚だ」との考えで小番被告と結婚した。しかし、学生だった小番被告を養う生活に疲れ、そんな際は「ペットのようなものだ」と考え、気を休ませていたという。
男性との関係については「初めて弁護士事務所でキスを求められた際、『関係を持つかも』と思ったが、拒むほど嫌ではなかったので受け入れ、その場で関係を持った」「給与や賞与のこともあり、拒んで職場で嫌がらせされるなどの不利益を受けるよりは関係を持った方がいいと考えた」と説明した。
また、当初は男性に好意があったが、あだ名で呼ばれ、高価なネックレスを渡され、長文メールが頻繁に届くようになると「気持ちが悪くなり、本気で引いた」。そんな中、小番被告から「帰宅が遅い」と叱られ、けんかになった際に、仲直りの方便として「キスされかけて悩んでいた」「2回だけ、拒んだけど関係を持たされた」と嘘をついたという。