セブン&アイ内紛劇

中興の祖・鈴木敏文会長兼CEOはなぜ晩節を汚す結果を招いたのか? 背景には創業家一族との確執も…

 「大型スーパーに顧客が集まる日本ではコンビニは根付かない」との社内の反対論を押し切って、1973年にコンビニのライセンス取得のため渡米。74年にセブン-イレブン1号店を東京・豊洲にオープンさせ、現在は全国で約1万8000店舗を超える国内最大級の流通チェーンに育て上げた。

 共働きや深夜人口の増加など時代の変化を常に読み取り、売れ筋商品と在庫を管理して利益を高める「単品管理」と呼ばれる革新的な経営手法を採用。コンビニ事業をグループの稼ぎ頭に育て、スーパーが主流だった小売業界の常識を一変させた。

 「単品管理」と呼ばれる手法は、コンビニ発祥の地である米国に逆輸入され、本家の米セブン-イレブンを傘下に収めるに至った。鈴木氏は、コンビニを日本に根付かせた経営者として内外に名前がとどろく名経営者だったのだ。

伊藤家と対立

 再び7日の会見に戻る。

 会見では、井阪氏交代の人事案をめぐっては、人事を決める指名・報酬委員会でのやりとりや、イトーヨーカ堂の創業者で、セブン&アイの伊藤雅俊名誉会長とのやりとりも説明された。

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