セブン&アイ内紛劇

中興の祖・鈴木敏文会長兼CEOはなぜ晩節を汚す結果を招いたのか? 背景には創業家一族との確執も…

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)の中興の祖であり、カリスマ経営者として名をはせた鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO、83)が自ら辞任を表明するにいたった7日の会見は、開始直前になって、鈴木氏と村田紀敏社長以外に、顧問で元イトーヨーカ堂常勤監査役の後藤光男氏と元イトーヨーカ堂副会長の佐藤信武氏が同席することを発表するなどドタバタが目立った。そこで語られた内容も、流通業を代表する大企業の意思決定とは思えない実態で、日本型コンビニエンスストアの生みの親である鈴木氏の晩節に大きな汚点を残す結果となった。

井阪氏を酷評

 カメラのフラッシュを浴び登場した鈴木氏がまず語ったのは、今回の辞任の引き金になった、中核子会社セブン-イレブン・ジャパンの井阪隆一社長への不満だった。

 「(昇格させようとした)古屋一樹副社長の方が仕事ができたが、育てるという意味で、古屋君に(井阪社長の就任を)支持してもらった」、「井阪君が社長兼最高執行責任者(COO)として役割を果たしたかというと物足りなさがあった」、「(井阪氏は)マンションの支払いもあるし、自分はまだ若いから辞めないなどといった」。

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