民進、急ぐ成果づくり ヘイトスピーチ解消法案、あす審議入り

自公対案に柔軟対応

 特定の人種や民族への差別的言動の防止に向け、自民、公明両党が策定したヘイトスピーチ解消法案が19日、参院法務委員会で審議入りする。旧民主党などが昨年提出した禁止法案への対案となる。民進党も自民、公明両党との修正協議に柔軟に応じる構えだが、夏の参院選を前に「成果づくり」を急ぐ思惑もちらつく。

 「小川敏夫議員、有田芳生が質問します」。民進党の有田氏は15日、自身のツイッターに19日の参院法務委員会で同党の小川敏夫参院幹事長とともに質問に立つことをアピールし、傍聴希望者を募った。

 自公両党が今月提出したヘイトスピーチ解消法案は「不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない」とする理念法。差別的言動を「禁止事項」とはせず、有田氏らは「実効性がない」と主張するとみられる。

 一方、旧民主党が社民党などと提出した禁止法案は、特定の人種や民族などを差別する言動を禁止。罰則はないが、政府が差別防止に向けた基本方針を作り、有識者による審議会を内閣府に設ける規定も盛り込んだ。ただ、自民党から「表現の自由の規制につながりかねない」「かつて検討された人権擁護法案が人権救済機関を設置しようとしたのと同じだ」と懸念の声が上がり、禁止法案は審議が進まなかった。

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