佐藤優の世界裏舞台

「日本人は諜報活動が苦手だ」というがそれは間違いだ…官邸直属の「諜報機関」を

佐藤優氏
佐藤優氏

国際情勢が以前にも増して複雑になっている。今年に入って起きた主な出来事だけでも、過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロ、サウジアラビアとイランの国交断絶、北朝鮮による核実験と長距離弾道ミサイルの発射、米国におけるトランプ旋風、「パナマ文書」が暴露されたことによるタックスヘイブンを用いた政治家、富裕層、多国籍企業などの税逃れ疑惑などがある。これらの問題が複雑に絡み合って、現実の国際政治は動いている。

中東史やイスラム事情の専門家で国際関係全般にも通暁している山内昌之明治大学特任教授が、「中東複合危機」というキーワードで情勢分析を行っているが、この概念を拡大して現下の状況を「世界複合危機」と呼んでもいいと思う。

現時点で、半年後の国際情勢をズバリ予測するという人がいたとするならば、その人は嘘つきか、国際情勢をよくわかっていないかのいずれかである。それは現実に与える変数があまりにも多くなって一義的な分析ができなくなっているからだ。だからといって、分析や予測をあきらめて、場当たり的な対処をすることは国益を毀損する。こういうときにこそ、高度な分析力を持った対外インテリジェンス(諜報活動)が必要になる。

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