夜間、女子高生などが乗った自転車の前に飛び出して、ぶつかったように装い金品や唾を要求する…。2月下旬、茨城県警は報道各社に「連続強制わいせつ・恐喝等被疑者の検挙」と題した広報文を発表した。強制わいせつや恐喝などの容疑で3回逮捕され、計19事件で送検されたのは、同県土浦市に住む元大手物流会社社員の男(38)。捜査関係者の間で「ツバくれおじさん」と呼ばれていたこの男、その手口は実に卑劣なものだった。
舌をペロリ
事の発端は平成26年秋ごろ。同県牛久市周辺で夜間、自転車に乗った女性が、暗がりから飛び出してきた男に金品やキス、唾などを要求される事件が相次いだ。被害に共通していたのは、自転車にぶつかったように装って「慰謝料」などと称してさまざまな要求をされること。そして、被害者が10代後半から20代前半と若い女性に集中していたことだった。
県警牛久署では、連続強制わいせつ事件の可能性もあるとして、夜間のパトロール強化や不審者情報の洗い出しなどを行った。しかし、警察の捜査をあざ笑うかのように男は犯行を重ねていった。