話の肖像画

下町ボブスレー推進委員会・細貝淳一(4)日本選手が乗る夢あきらめない

 平成23年に、ボブスレー選手として五輪に4回連続出場した脇田寿雄さんらを集めて、そり開発について話したが、翌年になっても何も動きがない。まどろっこしいから私がリーダーになるって言った上で、11月に東京ビッグサイトで開催された「日本国際工作機械見本市」のブースにそりを出すことも決めた。

 とりあえず産業振興協会の人に頼んで町工場40社の社長を集めたのが、見本市開催2カ月前の9月ごろ。テーブルに図面を並べて「参加できる会社はこれを持っていって」と頼んだ。地域を盛り上げるために五輪を目指そうって話した後に「タダでやってね」と伝えたら、多くの社長が図面を戻した。結果的に27社が図面を持ち帰ったが、「もうけにならない」と先代の社長に言われて、図面を返却した若社長もいた。

 だけど、参加した町工場は短い納期に間に合わせてくれた。見本市では女子ボブスレーの選手に急遽(きゅうきょ)、ディスカッションに参加してもらい、PR活動につながった。

 〈下町ボブスレーの活動は本格化し、平昌五輪出場を目指すジャマイカ・ボブスレー連盟がそりの採用を決定した。だが、挑戦は終わらない〉

 われわれが立ち上げた「下町ボブスレー合同会社」にはバンクーバー五輪日本代表だった浅津このみ選手が所属している。日本選手が下町ボブスレーのそりに乗り、五輪に出場する夢はあきらめていません。(聞き手 植木裕香子)

 =次回は日本生命保険社長、筒井義信さん

会員限定記事会員サービス詳細