衝撃事件の核心

物差しでのど突き、エアガン発射…「階段から転んだことにしておけ」いじめ隠蔽指示、中学運動部顧問の「勝利至上主義」

 学校側は問題発覚から2日後の7月9日、市教委にいじめ事案として報告。ほかの部員にもいじめの有無などを尋ねるアンケートを実施したが、他に被害は確認されなかった。

 これを受け、市教委は同月29日、この部が出場することが決まっていた近畿中学校総合体育大会に加害生徒の1人を出場させないよう、学校側に指示。同校校長は即日、顧問に加害生徒を出場させないよう命令した。

県教委「著しい非行」と指弾

 だが、この裏側で、顧問は〝不可解な行動〟をとり続けていた。

 問題が発覚した7月7日、被害生徒に病院を受診させる際、付き添った副顧問に対し「(医者には)階段から転んだことにしておけ」と虚偽の説明をするよう指示していたのだ。指示を受けた副顧問は、そのまま医者に伝えたという。

 さらに、加害生徒を大会に出場させないよう命じられていたにもかかわらず、8月4日、大会に出場させた。

 「隠すつもりはなかったが『先輩にたたかれた』と医師に言うと警察に通報され、大きな問題になると思ったので嘘の説明をした」

 市教委によると、顧問は虚偽説明を指示した動機をこう釈明した。校長の指示に従わずに加害生徒を大会に出場させたことについては「出場させないことが望ましいこととは割り切れなかった」と話したという。

 県教委は今年2月、「部員間の暴力行為を伴ういじめ事案を把握しながら、『階段から転んだことにしておけ』と虚偽説明を指示。さらに、加害生徒を出場禁止とする職務命令に従わなかった」などとして、顧問を停職6カ月の懲戒処分とした。処分した理由を県教委は「教育公務員として、ふさわしくない著しい非行である」と指弾した。

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