英雄の登場
そもそも欧米の報道は、「弾丸恐喝」の被害にあった米国人男性がその一部始終の動画をネットで暴露したことから始まった。ツイッターでは特定の話題をつなぐハッシュタグで「#laglagbala」(弾丸恐喝の意)が作られ、多くのネットユーザーが被害情報を共有し、空港当局を批判する声が広がったのだ。
こうした怒りの声は地元フィリピンでも巻き起こった。同国のエヘルシト上院議員は、上院での調査の必要性を主張したうえで「マニラ空港での恐喝事件は、世界への恥さらしだ」と指摘した。
こんななか、地元の英雄が不正撲滅に声をあげた。ボクシング6階級世界チャンピオンで下院議員のマニー・パッキャオ氏だ。
地元メディア「サンスター・マニラ」などによると、フィリピンから外国へ出稼ぎに向かう国民が多く被害に遭っていることに心を痛めたパッキャオ氏は、無料の弁護士チームを組織するとともに緊急連絡電話番号を公開、被害者支援に乗り出した。パッキャオ氏は「政府が適切に対処しない限り、被害者はなくならない」と指摘している。