地方銀行が中小融資で収益力向上 資金需要掘り起こし 金融庁の収益力調査

 法人部門の収益力が高い地方銀行は、中小企業向けの融資に力を入れる傾向があることが、金融庁の調査で分かった。地域密着で中小企業との関係を深め、目利き力を生かした効果的な助言で支援し収益につなげているとみられる。日銀のマイナス金利政策で収益悪化の懸念が強まる中、地銀が稼ぎを上げられる余地があることが浮き彫りになった。

 金融庁は地銀12行の平成26年度の収益を分析。その結果、経営努力で法人部門で稼げている地銀は、企業向け貸出金利から市場の標準的な金利を差し引いた幅が大きい特徴があった。

 この利幅の大きさで6行ずつに分けると、大きいグループは貸出残高に占める中小企業向けの比率が平均で43%、小さいグループは39%だった。

 また、大きいグループは中小企業の取引先のうち主力行を務める比率が52%だったが、小さいグループは41%だった。

 マイナス金利政策に対する地銀の危機感は強い。今回の調査では、市場金利がゼロになると全体の金利収益の約45%が失われる状況だった。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズは、マイナス金利で地銀の本業のもうけを示す業務純益が28年度に15%減少すると試算している。

 だが金融庁の調査は、中小企業との関係を深めて資金需要を掘り起こせば、市場金利に左右されない収益機会が生まれる可能性を示した格好だ。

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