「コーチのコーチ」としての講師役や東北各地のトレセン(選抜)などでの指導、テレビやラジオ出演…。日本サッカー協会(JFA)の前復興支援特任コーチ、手倉森浩さん(48)はいま、時間刻みのスケジュールに追われながらも、合間を縫って被災地に向かっている。そこは「人間はいい意味で変わることができる」ということを教えてくれた場所。手倉森さんにとって原点である。(関厚夫、写真も)
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地域ユースダイレクター(兼JFAトレセンコーチ)東北担当(チーフ)。JFAによると、これが手倉森さんの現在の正式な肩書だ。今年2月の就任以来、東北各県やJFAがある東京だけでなく、静岡や富山県にも公務で出張する日々が続いている。
「あきらめるな。あきらめたらそこで終わってしまうぞ!」「自己責任だ。自分で判断すること!」
春分の日をはさんだ連休のある一日、仙台市・泉パークタウンサッカー場。U-13・14(13、14歳以下)の東北地域トレセンの選手たちを指導する手倉森さんの鋭い声が響いた。