浪速風

観覧車は人生を乗せて回る

老夫婦がいつもベランダから眺めている観覧車に乗る。自宅が見えるか確かめたかったのだが、残念ながら見つけられなかった。帰宅して、「父さん、観覧車の中でこっちを指さしている老夫婦がいるけど、私らと違うかな~」「あほか~見えるわけないやろう!」。

▶坂初枝さん(74)の夕焼けエッセー「観覧車」(11日掲載)にほのぼのとした。映画「第三の男」に登場したウィーンの大観覧車は1897年に建設され、3世紀にまたがって街のシンボルになっている。テムズ川沿いのロンドン・アイは景観論争を巻き起こしたが、観光名所として定着した。

▶吹田市のエキスポシティに高さ123メートルの日本一の観覧車がお目見えする。ゴンドラは床面も透明ガラスで、空中に浮かんでいるような気分を味わえる。坂さん夫婦は観覧車が1周する間に共に過ごした日々を思い出し、穏やかな幸せを感じたという。観覧車は人生を乗せて回る。7月1日の開業が待ち遠しい。