虎の番

もはや「鉄人」の域 激務の遊撃手で出場、日本記録見えた鳥谷のすごさ

阪神のショートを守り続ける鳥谷。現役時代の金本監督に負けない「鉄人」といえる(森田達也撮影)
阪神のショートを守り続ける鳥谷。現役時代の金本監督に負けない「鉄人」といえる(森田達也撮影)

 鳥谷が本調子にほど遠い。13日現在で打率1割8分5厘。開幕すると「超変革」の波に隠れがちではあるが、改めて以下の数字を見てもらいたい。

 2012年3月30日のDeNA戦から、遊撃手でのフルイニング出場を続けている。連続試合出場でいえば、04年9月から継続中。その積み重ねが、背番号1をレジェンドの域に近づけている。開幕前の時点で、鳥谷の遊撃での出場試合数は1627。順調に全試合、ショートストップを守れば1770試合となる。これは吉田義男の球団記録、1740試合を抜くだけでなく、石井琢朗(現広島打撃コーチ)の日本記録、1767試合も塗り替える。

 日本記録の更新には欠場や遊撃以外での出場を2試合以内にせねばならないが、鳥谷なら無理からぬ目標に思えてくるのは、読者も同じだろうと思う。

 球団記録でいえば、開幕前の時点で通算四球はトップの848。同じく得点は862で、上には吉田ら4人がいるが、不振の昨季でも69得点をマークしており、一気に1位吉田の900得点超えも当確だ。通算1100三振の球団記録を持つのは桧山進次郎だが、鳥谷も2位で1044三振。悪しき記録も、それだけ打席に立っている証明といえる。

 和田豊オーナー付シニアアドバイザーは監督4年を通じ、1度も鳥谷をベンチに下げなかった。毎日、「3番遊撃・鳥谷」からオーダーを構想し、「いつもいてくれるのはありがたかった。それだけの守備とバッティングをしていたしね」。そして、こうも付け加えた。「そこだけは心配していなかったよ」

 煩悩多き前指揮官にとって、鳥谷の存在は精神安定剤になっていた。今季はまだ目立たないが、数字だけ見れば「ミスタータイガース」。鳥谷は、やっぱりすごい。(坂井朝彦)