子供の転落死多発、背景に「高所平気症」 高層階で生活…恐怖心育たぬケースも

 マンションのベランダなどからの子供の転落事故が後を絶たない。10日には、大阪市阿倍野区のタワーマンション最上階の43階から6歳の女児が転落死する事故があった。こうした背景には、高層階での暮らしに慣れ、高さに恐怖心を抱かない高所平気症の子供が増えていることがあるとされる。専門家は予想もつかない行動を取る子供へ細心の注意を怠らないよう呼び掛けている。

目線の高さを基準…タワマン育ち、感覚マヒ

 阿倍野区の事故は日曜日だった10日の昼に発生した。小学校に入学したばかりの女児は、家族と一緒に居間でアニメのDVDを見ていた際に姿が見当たらなくなった。アニメには登場人物が空を飛ぶシーンもあったという。高さ約1メートルにある窓が開いており、大阪府警によると、女児はいすを使って窓の外をのぞき込むなどしていて転落したとみられる。

 昨年7月には、京都市西京区のマンション5階のベランダから、3歳の男児が転落して死亡。同年10月にも、大阪府枚方市のマンション8階から4歳の女児が転落死する事故があった。

 こうした転落事故が相次ぐ背景として、福島学院大の織田正昭教授(母子保健学)は「高いところを怖がらない『高所平気症』の子供が増えている」と指摘する。

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