中国の植林支援のため日本政府が創設した「日中緑化交流基金」に対し、支援先の中国が恩知らずな態度をとっている。基金目減りに伴い日本政府が事業継続のため中国政府にも資金拠出を求めたが、色よい返事はなし。日中関係改善が進まないため中国政府が拒否したとの情報もあり、中国では「日本の助けはいらない」との声まで上がる。日本は過去に3兆円超もの円借款を拠出したが、反日宣伝の影響で中国ではあまり知られていないという苦い記憶がある。度重なる恩知らずな対応に、日本でも対中支援への異論が噴出し、基金の存在意義も宙に浮きつつある。
故小渕氏、日中友好願い基金を創設
基金は平成11年に故小渕恵三元首相が提案し、政府が約100億円を拠出して創設したもので、「小渕基金」とも呼ばれる。
中国では当時、長江(揚子江)を中心に多数の死傷者を出した大洪水に見舞われ、治山治水が内政の最重要課題のひとつとなっていた。小渕氏は中国での緑化推進を日中環境協力の柱として重視し、基金の設置が「21世紀へ向けた日中友好の礎」(当時の外務省筋)となることを期待していたという。