健康カフェ(30)

抗生物質 細菌を抑える薬で風邪には不要

 日本だけでなく、米国でも普通の風邪の3割、気管支炎の7割に抗生物質が処方されており、米国内科学会もこのほど、抗生物質の使い方についてのガイドラインを公表しました。これは、今までに行われた研究を解析した結果を基に、いかに抗生物質の使用を抑えるかについて書かれたものです。

 実際は不要な抗生物質を処方するのは、医師の不勉強もありますが、患者さんから強く要求されることも一因です。

 冒頭の患者さんのように、これまでに抗生物質を飲んだら風邪が早く治ったという経験から、抗生物質を求める方が結構います。でも、恐らく風邪が早く治ったのは、抗生物質を飲んだからではありません。ちょうど風邪が治りかけていたためで、抗生物質を飲まなくても同じように治った可能性が高いのです。

 また、ビタミンCにも風邪を早く治す効果は期待できません。この説は、ノーベル化学賞を受賞した米国のポーリング博士が1970年ごろ唱えて広まったとされますが、効果なしと否定する研究成果が多いです。

 「風邪かな」と思ったら、まずはゆっくり休んで様子をみてください。その方が、病院の待合室で長い時間を過ごすよりずっと有益かもしれませんよ。(北原ライフサポートクリニック内科医 下島和弥)

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