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霊能者・宜保愛子とは一体何だったのか? 衝撃のデビュー作「これが世界の心霊だ!」をNECOが33年ぶりに今夜放送

 VTRで、心霊スポットとされる廃虚を訪れた宜保さんは「すごく嫌な感じ」と不安がる。廃虚内に足を踏み入れると、宜保さんは突然、豹変し、「いやだ」「来ないで」「でもここ私のお城よ」などと取り乱し、「突如、宜保さんに館に住む霊が乗り移った」とのテロップが表示される…。

 番組ではこのほか、「宇宙と交信し、体などから金粉の出る女性」や「心霊手術」「心霊捜査」なども紹介。大学のUFO研究会がテレビ局屋上からUFOを探すといった企画も展開される。

 記者の想像だが、こうした不安をあおるような企画や演出の数々は、現在の地上波テレビでは恐らく、作ることが難しいのではないか。一方、番組内に充満する過剰さや、心霊を追ういちずさは、当時の社会やテレビの独特の雰囲気を確かに伝えており、「最近のテレビに失われたもの」といえるかもしれない。

 宜保さんは後に、お笑いコンビのとんねるずがパロディーコントを作るなど、社会現象を呼んだ。この番組では、そんな彼女の「スター性」の一端がかいま見られる。だが、一方で宜保さんへの疑義も起こり、平成7年のオウム真理教による地下鉄サリン事件以降、オカルト番組への風当たりも強くなった。

 33年の月日をへて蘇った番組は、こうした社会やメディアの変化もまた、思い起こさせる。インパクトたっぷりの内容ゆえ、万人には勧められない。ただ、一歩引いて視聴するなら、そんな懐かしさと気付きを与えてくれる番組なのは間違いない。(三品貴志)

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 「これが世界の心霊だ!」(#1)は、CSチャンネルNECOで4月11日午後9時ほかで放送。また、5月以降、#2~6を順次、放送する。

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