北海道新幹線ルポ(下)

函館発一番列車には鉄道愛が溢れていた H5系コーデ美女、子供たちから切符プレゼントされた老夫婦…

 午前7時20分、列車はトンネルを抜けて本州へ。「ついにはやぶさ10号は青函トンネルを渡り、本州へ上陸しました」とアナウンスも伝えた。

 6分後、青森県今別町の奥津軽いまべつ駅を発車。北海道の木古内駅から続いた在来線との共用区間が終わるが、ポイント通過もやはり注意していないと分からないほど静かだった。共用区間内では最高速度が140キロに制限されるため、列車は新幹線専用区間に入ると、待ってましたとばかりにぐんぐんとスピードを上げていった。

鉄道ファン大興奮

 まもなく新青森だ。鉄道マニアたちの胸にはどんな思いが去来しているのか。

 大阪市の会社員、岡田愛さん(40)は「北海道のローカル線に乗ることを考えると青森発夜行列車の『はまなす』が廃止されるのはかなり痛手。ただ、ガタゴトと騒音がひどかった在来線と比べ、新幹線はかなり静かでJR北海道の皆さんの努力を感じる」と話す。

 「嬉しさ半分、寂しさ半分」とため息をつくのは北海道小樽市の会社員、福士(ふくじ)興介さん(33)。「はまなすやカシオペアがなくなるのは実に惜しい。トンネル内での速度が抑えられるのが残念なので、せっかくデビューしたからには技術開発を進め、より速くなってほしい」と期待を込める。

 北海道新幹線の区間を完走し、新青森駅のホームに滑り込んだはやぶさ10号を、にぎやかな祭り囃子(ばやし)と「ようこそ青森へ」という横断幕が出迎えた。