京急、久里浜線延伸と宅地開発凍結 「観光で活性化」地元前向き 神奈川 - 産経ニュース

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京急、久里浜線延伸と宅地開発凍結 「観光で活性化」地元前向き 神奈川

 京浜急行電鉄(東京)が先月、三崎口駅以南への久里浜線の延伸と三浦市内での大規模宅地開発事業の凍結を発表した。人口減少や地価下落が止まらない同市にとっては新たなマイナス要素となりかねないが、地元からは「観光で人を呼び込みたい」と前向きな反応が聞かれる。(古川有希)

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 京急は昭和20年代から三浦市の三戸・小網代両地区の用地買収を開始。現時点で計44ヘクタールの地権者となっている。一時はゴルフ場建設を想定していたが、収益性の観点から大規模な宅地開発に計画を切り替えていた。

 平成21年からは宅地開発のため、谷を土砂で埋め立てる造成工事を始めたものの、人口減や地価下落の傾向を受けて採算が見込めないと判断した。

 京急によると、土砂埋め立て工事は今後も続け、早ければ32年に完了するという。同社の担当者は「大規模宅地開発は凍結するが、三浦半島は観光やレジャーで人を呼び込める大事なエリア。今後も三浦半島の活性化に向けて最良の(土地活用)方法を検討する」と話す。

 こうした京急の判断に対し、市も「このご時世ではやむを得ない」(市都市計画課)と理解を示す。

 背景には、先月公表された平成28年の公示地価で県内住宅地の下落率上位10地点のうち9地点を占め、民間研究機関「日本創成会議」の試算では県内の市で唯一、2040(平成52)年までに消滅する恐れがある「消滅可能性都市」とされたことがあり、同課の担当者も「住宅開発が難しいという事実は受けざるを得ない」と話す。

 だが、市内の豊富な観光資源を活用して市外から多くの観光客を呼び込もうという取り組みはむしろ近年活発化している。

 県は横浜・箱根・鎌倉に次ぐ「新たな観光の核」候補地域の一つに城ケ島・三崎地域を認定し、現地を満喫できる観光スポットの整備やイベント展開に注力。京急と地元企業が協力して発売する、京急各駅から三崎口駅までの往復と三崎エリアのバス乗車券、マグロ料理の食事券やレジャー施設利用券がセットになった「みさきまぐろきっぷ」も新たな三浦半島ファンの開拓に一役買っている。

 「三浦海岸は、京急が久里浜線を三浦海岸駅まで延伸してくれたおかげで発展してきた」

 こう振り返る三浦海岸海水浴場運営委員会の大島敬三委員長(84)は「これからも京急と協力して三浦を盛り上げていくのは変わらない。地元でもいろいろなイベントを仕掛けていきたい」と前向きに受け止める。

 地元の石川巧県議(自民)も「時代に沿わない大規模住宅開発からの撤退は賢明。京急側も羽田開発が一段落した後は三浦半島に力を入れていくと明言しており、今回の凍結も悲観していない」と話している。