正論

朝日新聞、毎日新聞の皇室敬語がなっていない! 「敬語の民主化」は不可能だ 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛

佐瀬昌盛・防衛大学校名誉教授
佐瀬昌盛・防衛大学校名誉教授

 日本語は襞(ひだ)に富む言葉である。英語の「I love you」は「好きよ」あるいは「愛してるよ」と訳せる。さらにこれに主語も目的語も付けることができる。主語にも「僕」「俺」の言葉もあれば、「私」という主として女性が使う表現もある。目的語には「君」「お前」も「貴方」もある。そのどれを使うかによって微妙な差が出る。日本語の豊かさであり、私はそれを誇りに思う。

 ≪天皇誕生日の各紙表現の差≫

 その中で皇室にどのような表現を用いるかは重要である。在京主要5紙が昨年12月23日、つまり天皇誕生日にどのような言葉遣いをしたかを五十音順に眺めよう。

 まず「朝日」である。「天皇陛下は23日、82歳の誕生日を迎え、これに先立ち記者会見した」

 ついで「産経」。「天皇陛下は23日、82歳のお誕生日を迎えられた」。次は「日経」。「天皇陛下は23日、82歳の誕生日を迎えられた」。基本的に「産経」と同じである。違いは「お誕生日」か「誕生日」か、「お」の有無だけだ。

 4番目は「毎日」である。「天皇陛下は23日、82歳の誕生日を迎えられた」。これは「朝日」とは違う。ただし、次の一文では、陛下はパラオの「『島々に住む人々に大きな負担をかけるようになってしまったことを忘れてはならない』と話した」とある。つまりは「朝日」と同じ語調なのだ。

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