コインをスマートフォンに取り込む専用アプリを数百万円かけて試作。5人程度のメンバーで1~2月に最初の実験をした。メンバーは「ウォレット」と呼ぶアプリ上の財布にコインを貯金した上で、他のメンバーとやり取りした。
小山田頭取は「インフラコストの低下メリットをどう顧客に還元できるか見極めたい」と説明。数千円程度の国際送金の手数料を大幅に引き下げられる可能性もあり、「3カ月ごとに成果を検証する」と述べた。
関係者によると、顧客が自分の預金をスマホの専用アプリでコインに交換。空港などで外貨で引き出せる案なども浮上しているという。実現できれば、海外出張や旅行の際に口座から事前に現金を引き出して両替する手間が省ける。
さらに、MUFGや米シティグループ、ドイツ銀行など金融大手40行は3月、ブロックチェーンで債券を発行する初の実験にも成功した。グローバル企業が全世界で社債を手軽に発行して必要な資金を集めやすくなる可能性がある。
小山田頭取は「フィンテックは銀行業務そのものを変えていく。平成28年度は実践の年」と抱負を語った。