核についても、核開発ができる姿勢を維持することが抑止力につながる。政治的コストのかかる「独自核」も考えられるが、「米国核」を共同管理するケースもあって選択肢は広い。抑止力に重要なのは、核・非核を問わない自由な議論と能力を保持し、「核のオプション」を放棄しないことであろう。
まして、左派からの「対米従属を通じて戦争ができる国へ」という政権批判は、スローガン化していてまともな議論とはいえない。むしろ、巨大中国の軍事的台頭を前に、日米同盟を基礎にアジア海洋国家との同盟の輪を広げるべきだろう。それらは、戦争を未然に抑止するためである。(東京特派員)