【にっぽん再構築・高齢者をいかせ】五木寛之氏「嫌老の空気あらわに」 弘兼憲史氏「好かれる老人になるには」…4人の識者が語る処方箋(5/7ページ) - 産経ニュース

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にっぽん再構築・高齢者をいかせ

五木寛之氏「嫌老の空気あらわに」 弘兼憲史氏「好かれる老人になるには」…4人の識者が語る処方箋

 生活保護法には「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる」とある。パチンコの浪費であっても、事業の失敗であっても、困窮に至った理由を問わず保護され、自立支援を受けられるという理念だ。

 国民の生命や社会秩序を守る上で重要な規定であることを理解してほしい。その上で、高齢者が受給者の半数を占め、年間3・8兆円の生活保護費を抑制する手法について考えたい。

 現行制度では、貯金を切り崩して生活する高齢者が数年先に、資産がほぼ確実に失われることが明白な状態でも「資産がある」とみなされ受給できない。資産が尽きた段階で申請に向かうことになるため、自立支援に多額のコストがかかる。貧困を未然に防ぎ、保護が必要となる前に助ける「防貧」の観点が必要だ。

 そのため、生活を部分的に補助する仕組みを求めたい。現行制度は原則として、生活や住宅、医療、教育、葬祭など8つの扶助をセットで提供している。しかし、高齢者には、住宅費など一部でも補助があれば、生活保護を使わずに年金や収入で生活を営むことができるという人も少なくない。支給を細分化することで支出が抑えられ、長い目で見れば、将来の生活保護費の抑制につなげられる。(聞き手 玉崎栄次)

 ふじた・たかのり 昭和57年、茨城県生まれ。社会福祉士、聖学院大客員准教授(公的扶助論)。平成25年度の厚生労働省社会保障審議会特別部会委員を務めた。昨年、「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」(朝日新聞出版)を出版し、高齢者の貧困を社会問題化した。