【にっぽん再構築・高齢者をいかせ】五木寛之氏「嫌老の空気あらわに」 弘兼憲史氏「好かれる老人になるには」…4人の識者が語る処方箋(2/7ページ) - 産経ニュース

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にっぽん再構築・高齢者をいかせ

五木寛之氏「嫌老の空気あらわに」 弘兼憲史氏「好かれる老人になるには」…4人の識者が語る処方箋

 日本では寄付が税控除の対象にならないケースが多いが、貧しい高齢者や若者のために、財産の半分くらいを寄付した高齢者には、税控除だけでなく、名誉と社会的な尊敬を得られる仕組みを作ってはどうか。

 人口減社会を迎えた日本には「下山の思想」が必要だ。登山に例えると、登りの経済成長期のように安くて良いものではなく、価値の高いものを高く売る方向に転換した方がよい。例を挙げるなら何十万円もするドイツ製の高級補聴器といえど、完璧に満足だという人は聞いたことがない。そこに高齢者を活用するチャンスがある。高齢者の需要は高齢者が一番分かる。開発に携わらせ、日本の技術で完璧な補聴器を作れば、高くても売れるだろう。

 一方で、下山の過程では優れた文化が生まれる。江戸では、人口が減少しつつあった化政年間(1804~1830)に豊かな文化が花開いた。この時代に生み出された浮世絵の多くは海外に流出してしまったが、国内に残されていたら、世界中の人がそれを見るために日本を訪れただろう。文化は外貨を獲得し、国の屋台骨を支える産業になり得る。ビートルズも、ローリングストーンズもいまだに国に寄与している。

 世界のトップを切って超高齢社会に進む日本の対応を世界中が見守っている。今こそが産業や意識を変え、高齢者が活躍できる「賢老社会」を目指す転換点なのではないか。(聞き手 戸谷真美)