セクハラ「被害経験ある」3割弱→6割が泣き寝入り 厚労省1万人女性調査、被害申告で解雇事例も

 職場でセクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ=セクハラ)を受けたことのある女性のうち6割超が泣き寝入りしていたとする調査結果を、厚生労働省がまとめた。被害を会社に訴え、降格や解雇の処分を受けた事例もあった。厚労省は社外の相談機関の活用などを呼びかけている。

 調査は昨秋、同省に委託された労働政策研究・研修機構が実施。現在働いている、もしくは就業経験があった25~44歳の女性を対象に行われ、約1万人から回答を得た。

 セクハラ被害を受けたと回答した人は28・7%にのぼったが、被害への対応としては「我慢した、特に何もしなかった」が最多の63・4%を占めた。

 上司や会社の窓口へ相談した人は13・5%で、その後の対応状況について尋ねると、22・7%の人が「特段の対応はなかった」と回答。「上司や同僚から嫌がらせを受けた」(5・7%)、「解雇、退職を強要された」(3・6%)といったケースもあった。

 厚労省は、性的な冗談やからかい、身体への不必要な接触、性的関係の強要などをセクハラと定義し、事業主に防止策を取ることを義務づけている。だが、立証が難しかったり、体裁を気にし、隠蔽(いんぺい)しようとしたりする企業もある。立証できたとしても、社内での注意喚起に留まることも多い。

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