浪速風

「緑寿」を迎えてもう一働き

井上陽水さんの「人生が二度あれば」は「●(=歌記号)父は今年二月で六十五」と歌い出す。欠けた湯飲み茶碗に映る、シワが増えた顔をじっと見ている。1歳下の母は子育てだけのために年を取った。二人がこたつでお茶を飲みながら、若い頃を思い出している。夢見るように…。心に染みる名曲だ。

▶65歳は高齢者の仲間入りする、人生の節目といえよう。3年前に改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業は定年を廃止か65歳に引き上げか、継続雇用制度の導入を義務付けられた。すなわちリタイアする年齢である。日本百貨店協会は、還暦と古希の中間の数えで66歳を「緑寿(ろくじゅ)」と呼んでお祝いしようと提唱している。

▶だが、「人生が二度あれば」と夢想するのはまだ先になりそうだ。なにしろ4人に1人が65歳以上という高齢化社会である。1億総活躍でもう一働きが求められるのもやむを得まい。私事で恐縮だが、65歳になった。小欄を書き続けられることを喜んでいる。