都市を生きる建築(58)

金融街に誕生したカップルの聖地…オペラ・ドメーヌ高麗橋

【都市を生きる建築(58)】金融街に誕生したカップルの聖地…オペラ・ドメーヌ高麗橋
【都市を生きる建築(58)】金融街に誕生したカップルの聖地…オペラ・ドメーヌ高麗橋
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 御堂筋と堺筋のちょうど真ん中を南北に通る三(さん)休(きゅう)橋筋は、沿道に歴史的建築が多く残る通りで、本連載でも既にグランサンクタス淀屋橋と重要文化財の綿業会館を取り上げた。今回は高麗橋の交差点に建つオペラ・ドメーヌ高麗橋(高麗橋ビル)をそれに加えたい。

 大正元年に完成した赤煉瓦の外観は、ちょうど三休橋筋の北詰にアイストップのように建つ、中之島の中央公会堂と印象が似ている。白い御影石で帯を幾重にも回す意匠も同じだ。それもそのはずで、この建物を設計したのは建築家・辰野金吾が片岡安と共同で設立した辰野片岡事務所。辰野は中央公会堂の監修者であり、片岡は岡田信一郎という若手建築家の案をもとに、実施設計を担当した。一街区北に建つグランサンクタス淀屋橋も、最初の建物は彼らの設計によるものだし、中之島には辰野金吾の代表作のひとつである日本銀行大阪支店がある。辰野は首都東京を拠点に活躍した建築史上の偉人だが、近代における彼の影響は、大阪においても大きかったことがよくわかる。