衝撃事件の核心

160キロで都心を暴走した挙げ句…6人を死傷させた飲酒20歳男は違法行為のオンパレード 異例の裁判員裁判へ

 猛スピードで走ってきたドイツ製の高級外車が、交差点でタクシーの側面に突っ込み、吹き飛ぶように画面の外に消えていった。東京都世田谷区で3月23日未明に起きた悲惨な交通事故。タクシーの運転手が死亡し、5人が重軽傷を負った事故で、逮捕された緒環(おだまき)健蔵容疑者(20)は、飲酒した上、時速160キロで暴走していた。免許も携帯しておらず、けが人の救護もせず、こともあろうに現場から逃走を図った緒環容疑者。あまりの悪質性に、自動車運転をめぐる事件としては異例の裁判員裁判になる見通しとなっている。

一瞬の事故…脚を引きずり逃走も

 画面に映る信号交差点。対向車線のタクシーが交差点に入るやいなや、画面右側から黒っぽい高級外車が猛スピードでタクシーの側面に激突し、なおも速度を落とさないまま別のシルバーの乗用車にも衝突。3台が吹き飛ぶように画面の左端に消えた。現場には破片や煙が舞い上がった。

 近くを走行していた車のドライブレコーダーがとらえていた事故の瞬間だ。激突した衝撃にも減速する様子はなく、異常な速度でぶつかったことが一目でわかる。

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