にっぽん再構築・高齢者をいかせ(1)

「パチンコしか行き場がない。生活に刺激がないんだ」 増え続ける生活保護費…パチンコで浪費

 別府市は日本の縮図だ。昨年10月の巡回で発見された25人のうち15人は65歳以上。多くは単身者だった。

 「パチンコしか行き場がない。それ以外、生活に刺激がないんだ」。停止措置を受けた60代の男性は、市の担当者にこんな心中を語った。この男性のように社会から孤立化し、パチンコなどにおぼれる高齢受給者は少なくない。

 国はそれを「黙認」してはいないか。逼迫(ひっぱく)する財政事情の中で、浪費を許さない地域住民の感情は根強い。ジレンマに立たされた自治体は別府市だけではない。

 長野恭紘市長(40)は言葉を強めた。「生活保護法の条文には、パチンコを『だめ』とする根拠はない。だが、『良い』という根拠もない。今後は、国で議論を深め、結論を示してもらいたい」

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