★★TAMIYAの世界

世界の戦車700点を網羅 日本が誇るミリタリープラモのすべてが分かる! 『田宮模型全仕事[増補版]』

70年貫く「タミヤイズム」

 また、同社が定期刊行する広報誌「タミヤニュース」の記事も抜粋収録されており、製品開発の舞台裏を垣間見ることができる。たとえば昭和54年に発売された当時のソ連主力戦車T-62の場合、第4次中東戦争でイスラエル軍が捕獲した実車を求めてはるばる米国アバディーン兵器試験場を訪ねたが、ついに取材が許されなかった経緯が当時の同誌に記されており、冷戦下「鉄のカーテン」に阻まれて謎だらけだった東側の現役車両を調査する難しさがうかがい知れて興味深い。

 同書を担当した編集者の烏兎沼佳代さんは「改訂前の版はフィルムを使ってアナログで編集していたが、今回の増補改訂版はデジタル化した。実はタミヤさんの模型自体がそうで、20世紀には人の手で作った原型を基に職人が金型を彫っていたのが、今は3Dスキャナなどを用いてデジタルで金型製作している」と、ここ15年あまりの物作り技術の飛躍的進歩を解説。「環境は変わっても、70年を貫いて変わらないタミヤイズムのようなものを、この本を通じて感じてもらえれば」と話している。(磨井慎吾)

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