緊迫・南シナ海

中国が南シナ海・パラセル諸島に対艦巡航ミサイル配備 急速に進む軍事拠点化 国際社会はどうすればよいのか

 【ワシントン=青木伸行】国際軍事情報大手IHSジェーンズは30日までに、中国が南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島にあるウッディー(永興)島に、射程400キロの対艦巡航ミサイルを配備したとの分析を明らかにした。ウッディー島では2月、長距離地対空ミサイルの配備が確認されており、南シナ海の軍事拠点化を加速させている現状を、改めて浮き彫りにしている。

 対艦巡航ミサイルは地上配備型の「鷹撃(YJ)62」。中国の短文投稿サイト「微博」に今月20日、ウッディー島での発射の模様をとらえた写真が掲載され、ジェーンズの分析はこれに基づいている。中国の軍事月刊誌にこれまで掲載されたYJ62の写真と、一致したとしている。

 配備された時期については、長距離地対空ミサイル「紅旗(HQ)9」が確認された2月と、ほぼ同時期だとの見方を示した。ジェーンズによると、中国軍は2008年から地上配備型のYJ62の運用を開始した。写真には、ウッディー島のドーム形のレーダーも写っていた。

 米国防総省のクック報道官は29日の記者会見で、配備の確認を避けつつ「係争中の岩礁や島を軍事拠点化する動きは、いかなるものであれ懸念の対象だ」と批判した。

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