最後の出演となったラジオ番組の収録は壮絶でした。
会話もままならず、行けるような状態ではありませんでしたが、「何が何でも行く」と。タクシーに乗せ、車いすで現場まで連れていきました。収録直前まで机に突っ伏してしまうような状況でとても不安でした。ところが、始まったとたんにとてもはきはきと話し始めたのです。周りのスタッフの方も、驚いていました。仕事に対する責任感を痛切に感じました。
帰宅後は自力で水も飲めない状態になり、救急車で搬送され入院。6日目の朝、眠っている主人の呼吸の回数が減っていきました。手を握っていた長男が泣くと、手を握り返し、そのまま逝きました。
主人が亡くなり、悲しさの半面、子供たちの成長を感じることもあります。長男は「あっという間に亡くなったお父さんが、身をもって『今できることをする大切さ』を教えてくれた」と言います。長女も、「たくさんのことを教えてくれたから大丈夫」と励ましてくれます。