赤字国債の発行に必要な特例公債法の改正案が31日に成立する。平成28~32年度に予算成立とともに自動的に赤字国債が発行できるようになる。本来、赤字国債の発行には年度ごとに立法化が必要だが、改正案成立で国会審議は不要となり、政府は円滑な財源確保と政策実現につなげる。
改正案は31日の参院本会議で採決を経て、成立する。麻生太郎財務相は28年度予算が成立した29日の記者会見で、「予算の円滑な執行に向け、特例公債法が年度内に成立することが一番大事だ」と述べた。
財政法は赤字国債を禁じており、政府は特例法を毎年度成立させてきた。だが24年に政治的混乱による法案成立の遅れを避けるため24~27年度の発行を一括で認めるよう修正。今回は32年度まで延ばす。ただ、野党は毎年度の審議がなくなるため「財政規律が緩む」と批判している。