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大阪市は30日、日雇い労働者が集まる西成区の「あいりん地区」の道路や公園を不法に占拠しているとして、行政代執行法に基づき、テントや小屋などを強制撤去した。市によると、同地区での行政代執行は平成10年12月以来。隣接する市立新今宮小学校・今宮中学校の通学路に設置されるなどしたため、苦情を受けた市が昨年12月から文書で撤去を勧告していた。
対象となったのは、ホームレスの男性1人が居住する市道に張られたテントや、日雇い労働者を支援する労働団体が地区内の花園公園に廃材でつくった小屋、ビラを張った掲示板。
代執行は同日午前8時20ごろから始まり、市職員約130人が立ち会った。担当者が代執行宣言を読み上げた後、テントや倉庫の撤去作業を開始。終了後、再びテントが設置されることを防止するため、市道の一部にバリケードが設けられた。
市建設局によると、公園周辺でテントなどが設置されたのは11~14年ごろ。その後、市によるホームレスの就労支援などで設置数は減少したが、一部は自主撤去に応じなかった。
市は「やむを得ず強制撤去することになった」としており、人件費として約15万円ずつをテントの男性と労働団体に請求する方針。