鳴門のコウノトリ2個以上産卵、豊岡市周辺以外で初の野外繁殖のひな誕生か

兵庫県豊岡市周辺以外では初の野外産卵をしたとみられるコウノトリ=徳島県鳴門市
兵庫県豊岡市周辺以外では初の野外産卵をしたとみられるコウノトリ=徳島県鳴門市

 徳島県は29日、兵庫県から鳴門市に飛来してきた国の特別天然記念物コウノトリが2個以上は産卵し、本格的な抱卵に入ったと発表した。抱卵期間は約30日とされ、4月末のひな誕生の可能性が大きくなった。誕生すれば昭和46年に国内で野生種が絶滅して以来、兵庫県豊岡市周辺以外では初めてとなる。

 産卵したとみられるのは兵庫県朝来市から巣立ち2歳10カ月になるメスで、オスは豊岡市の人工巣塔で生まれ、4歳10カ月になる。昨年5月上旬に鳴門市の同じ電柱で巣作りしたが、産卵には至らなかった。

 県は22日に兵庫県豊岡市周辺以外で初の野外産卵をした可能性が高いと発表。その後、夜明けから日没までのペアの行動を調査。その結果、調査した約14時間にメスかオスのどちらかが巣に伏せた割合が90%を超えた。

 このため、野生復帰に取り組む「兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園」と協議したところ、同公園は「巣に伏せている時間が80%を超えていることから2個以上は産卵し、本格的な抱卵に入った」と判断した。

 卵はニワトリの卵の約2倍の大きさで1~2日置きに1個ずつ計4~5個産むとされ約30日間、メスとオスが交互に卵を抱き続けるとひなが誕生する。

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