ベルギー同時テロ

欧州過激派ネットワークの背後にうごめく勧誘組織…「サンタクロース」「首長」の異名とる指導者の影

 【ベルリン=宮下日出男】ベルギー同時テロや昨年11月のパリ同時多発テロに関与した欧州の過激派ネットワークの実態が明らかになってきた。パリでのテロの主犯格、アブデルハミド・アバウド容疑者(死亡)を中心に、背後にはベルギーを拠点とする過激派の勧誘組織の人脈が浮かぶ。欧州各国当局はその壊滅に向け、関係者の追跡に全力を挙げている。

 複数の欧米メディアは27日、欧州各国の捜査当局が現在、ベルギーやパリのテロに関与したとして少なくとも8人の容疑者の行方を追っていると伝えた。大半がフランスかベルギーの国籍を持ち、欧州かシリアに潜伏しているとみられる。

 米CNNによると、8人中7人がアバウド容疑者と接触しており、CNNが特定した1人は同容疑者と一緒にシリアに渡航。仏当局が昨年拘束したシリア帰りの男の供述によると、同容疑者はイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)で欧州のテロ実行者を選ぶ任務などを担っていた。

 アバウド容疑者はパリのテロだけでなく、2014年のブリュッセルのユダヤ博物館襲撃、昨年8月のパリ行き高速列車内の無差別乱射未遂事件の実行犯ともつながりがあるなど、近年欧州で起きたテロに深く関わっていたとされる。