さらに、スタジオでは、早稲田大の長谷部恭男教授が「(自民草案の)緊急事態条項発動の要件が甘すぎる」「場合によっては、令状無しに怪しいと思われれば身柄を拘束されることも、理屈としてはありうる」などと自説を展開。特集は30分近くに及んだが、東日本大震災時の混乱を受けた議論の推移や、条項の必要性を説く識者の意見は紹介されなかった。
「因果関係があるんじゃという前提で…」
一方、東日本大震災から5年を迎えた3月11日には、福島の子供の甲状腺がんの現状を特集。福島県の大規模調査で166人に甲状腺がんか、悪性疑いという判定が出たことについて、古舘氏は「異常に多い」と指摘した。
番組では、手術を受けた女性や家族のインタビュー、複数の識者の話、チェルノブイリ取材などを交えながら、甲状腺がん患者の増加が「放射線の影響とは考えにくい」としている福島県の調査検討委員会の見解を疑問視。古舘氏は「(原発事故との)因果関係がないというのは甚だ疑問だ」と述べ、特集の終盤には「因果関係が分からないのであれば、因果関係があるんじゃないかという前提で、じっくり探っていくプロセスが必要ではないか」などと訴えた。