原発事故5年

「津波で東電のおごりや過信は木っ端みじんに流された」東電・広瀬社長は黙祷後にこう漏らしたが…

 広瀬社長の訓示に続いてマイクに向かった石崎氏は、事故後の東電と地域住民との関係について、社員による復興支援活動の積み重ねにより、少しずつ前向きな「変化」が見えてきているとした。そしてこう続けた。

 「原発事故で失った信頼を取り戻すことは、並大抵の努力では成し遂げられない。今も『事故を起こした東京電力が憎い』という人は、たくさんいる。私たちの背中には、福島のみなさんの視線が常に注がれていることを意識しなくてはならない」

 社員への訓示とはいえ、公開された東電トップらの「事故から5年」のメッセージを、被災者はどのように受け止めただろうか。

 福島第1原発事故をめぐっては先月、炉心溶融(メルトダウン)の基準を明記したマニュアルの存在が初めて明らかになるなど、事実の「隠蔽」ともとられかねない事態も発生している。東電が5年間で重ねた信頼の積み木は、まだもろく、崩れやすい。(原子力取材班)