正論

分数できない学生を増やすな 大学入試改革は何を目指すのか 神戸大学特命教授・西村和雄

 これまでの教育改革が成功しなかった理由は、うまくいっていた部分までも無理やり変えたこと、すべての国立・公立学校にほぼ一斉に実施したことである。制度を変えるにあたっては、改革ありきではなく、現状の制度のどこが問題で、改革がそれを改善するものになっているかを具体的に検討すべきである。

 現状では、私立大学では半数を超える学生がAO・推薦によって入学している。学力を問わない形のAO・推薦を行っている大学では、学力が大きく異なる学生がクラスに混在して授業が成り立っていないという。しかも、私大の場合、入学試験科目は多くとも3科目であり、入試科目以外の科目の学習がおろそかになるという弊害が指摘されてきた。私立大学が到達度を測る「基礎学力テスト」やセンター試験に代わる「学力評価テスト(新共通試験)」を採用するというのであれば、現状の問題を是正することにつながろう。もし、そうでないのなら、何のために改革するのかが問われよう。

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