今月4日に開かれた全国政治協商会議(全国政協)の開幕式で、委員たちは異様ともいうべき光景を目撃した。式典が終わって、最高指導部のメンバーたちが順次、ひな壇から退場するとき、党の規律検査委員会の王岐山主任が前を歩く習近平国家主席を後ろから手をかけて呼び止め、話しかけたのである。
衆人環視の中で、習主席の部下であるはずの王氏が取ったこの「なれなれしい」行動は、主席の権威をないがしろにする「軽薄なる行為」とも映った。その背景には一体何があったのか。
その2週間ほど前の2月19日、習主席は中央テレビ局など3大メディアを視察し、メディアが党への忠誠に徹すべきだとの訓示を行った。それに応じて、3大メディアは一斉に、「メディアは共産党のものだ、党に絶対の忠誠を誓いたい」と宣した。