ただ昨年の週刊誌の推定販売金額はネットとの競合もあり、前年比13・6%減(出版科学研究所調べ)と大幅に落ち込んだ。
「スクープをとるには人員や金、時間がかかるし訴訟のリスクもある。部数が激減し経費が絞られる中、多くの週刊誌が『割に合わない』スクープ報道から事実上降りている」と危惧するのはジャーナリストの山田順さん。高齢者の性など読者層を意識した読み物に軸足を移す他誌の姿勢が、週刊文春の奮闘を目立たせている面もあるとみる。
山田さんは「表も裏も含めた人間への興味は時代を選ばない」と週刊誌の役割を評価した上で他誌の奮起に期待する。「世の中のスキャンダルを1誌ではとてもカバーできないしやがて疲弊もする。そのとき知る権利が大きく損なわれる恐れがある」(海老沢類)