中国が新たな国際組織設立を提唱、金融危機の再来防ぐ 李首相が表明

 【上海=河崎真澄】中国の李克強首相は24日、海南省博(ボ)鰲(アオ)で開幕した「博鰲アジアフォーラム」年次総会で基調演説し、金融危機の発生を防ぐメカニズムが必要だとして、新たな国際金融組織「アジア金融協力協会」の設立を提唱した。

 李首相は国際組織の規模など具体的な提唱の内容には触れなかったが、「アジア金融市場の完全な建設に向け、再び大規模な市場動揺が起きないよう共同で防止する」と強調。外国為替や証券などの金融市場で、アジア広域に国際協調を主導する組織構築をめざす。

 タイの通貨バーツが急落したことで始まった1997年7月のアジア通貨危機が念頭にあるとみられている。今年1月に正式発足したアジアインフラ投資銀行(AIIB)を手本に、国際組織の設立により、市場監視で中国が主導権を握る狙いもありそうだ。

 また、中国経済について李首相は構造改革の過程で「陣痛に直面するのは不可避」と警戒感を示した。

 同日の開幕式ではフォーラムの理事長を務める福田康夫元首相が「アジア各国は一国だけでは生きていけない。協力し合うことで前進できる」と述べた。

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