「日本のことが、もっと愛しくなる」
本書は基本的にコリンさんの体験から成り立っている。約15年の間に経験した日本各地での出来事、習慣、日本語のおもしろさ、多様な日本文化、そして日本社会の雑学…。読めば、本書の帯にあるように、日本人自身が《日本のことが、もっと愛しくなる》だろう。
「その国に住んでいる人には、その国のシステムの形が見えないことが多い。しかし、外国人には(不自然に映るから)逆に見えるもの。日本人自身がそこに気付くと、もっと生活がおもしろくなる」
10年近くを経て、続編ともいえる本著を出したのは、こんな思いがあるからだ。
目についた中国人
年に1度は日本に来て長期滞在するという。近年、日本で目につくのが中国人の存在だ。
コリンさんが約1年前、福島県会津若松市や長野市を訪れたときにも、中国人の観光客を見た。「(訪日客が行く観光地は)東京、大阪、京都ぐらいだと思っていたけど、(訪日客にとって)メーンの観光地じゃないところにも来てるんだと思った。「爆買いだけじゃなく、日本の文化にも興味を持って、帰ってほしいね」
昨年、英国には習近平国家主席が訪れた。世界で影響を増す中国は、コリンさんの眼からみると、どう映るのか。ぜひ、今度は「『中国社会』入門」を読んでみたい。
(堀晃和)