長野への政府機関移転、自衛隊体育学校合宿のみ 知事「大変残念」

 東京への一極集中の是正に向けて地方創生の目玉として期待されていた国機関移転の基本方針が22日決定され、県内に迎えるのは自衛隊体育学校(東京都練馬区)の合宿の実施のみにとどまった。阿部守一知事は同日、中央省庁移転の対象が県提案の特許庁が見送られて文化庁だけだったことなどを受け「踏み込んだ対応とならなかったのは大変残念な結果」とするコメントを発表し、失望の色を隠さなかった。

 県が県内への移転対象候補として政府に提案していたのは、中央省庁の特許庁(同千代田区)や、国際級選手を養成する自衛隊学校第2教育課、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の地震・火山防災研究ユニットなど10機関。このうち昨年末時点で事実上、特許庁の審査部門の一部と自衛隊体育学校の2機関に絞られていたが、最終的に特許庁については審査官の人員不足などを理由に県の提案は実らなかった。

 一方、自衛隊体育学校について第2教育課組織の移転はならなかったが、上田市菅平高原の高地環境を生かした合宿の実施が基本方針で決定された。女子ラグビー▽レスリング▽近代五種▽水泳▽陸上-の5種目について国際級選手の競技力向上を目指し、他の競技団体との合同合宿も視野に入れた効果的な合宿を実施するとしている。阿部知事はコメントで「上田市とともに平成28年度から実施できるよう具体的な調整を進めていく」として期待を示した。

 また、上田市政策企画課は「ラグビー合宿で『世界の菅平』として知られた地で選手強化を行い、世界に発信できれば地方創生の理念にも沿う形になる」として、2019年のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会、20年の東京五輪を念頭に歓迎する。

 県は、政府の基本方針に盛り込まれた今後の取り組みとして、国機関を地方移転した場合の機能を検証する社会実験などに期待をつなぐ。県総合政策課は「御嶽山噴火災害を受けた対応方針に掲げる火山施設の誘致などを引き続き国に働きかけたい」としている。

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