1月から運用がスタートしたマイナンバー制度。これからは勤務先にマイナンバーを提出しなければならないが、アルバイトをしている人の中には「副業がバレるのでは」と心配している人も多い。中でも水商売をしている女性の多くは戦々恐々としているらしく、ネット上では「マイナンバーでキャバ嬢が不足する」との噂も飛び交う。実際、ホステスはバレる可能性大。しかし、風俗嬢はバレない可能性が高いという。そのわけは-。(平沢裕子)
飲食店が立ち並ぶ東京・新宿2丁目。この街の一角に税理士事務所を構える高橋創さんのもとには、OLや女子大生、主婦から、会社や親、夫に「ホステスとして働いていることがバレるのではないか」との相談がマイナンバー制度導入前から増え始めた。高橋さんの解釈では、ホステスの場合は親や勤務先にバレる可能性が高いが、風俗嬢ならバレる可能性が低いという。
ホステスがバレる可能性が高いのは、キャバクラやバーなどのお店は、ホステスに払った報酬を支払調書にして税務署に報告する義務があるためだ。これまでも同様の義務はあったが、女性が偽名でも、税務調査でもしないかぎり、税務署は偽名かどうかを調べる術がなかった。一方、店にとっても偽名の方が女性を集めやすいこともあり、女の子の本人確認をあいまいにしていたところも少なくない。
しかし一転、今後は店側が支払調書と一緒にマイナンバーを提出しなければならなくなった。高橋さんは「マイナンバーの開始で、ホステスさんにとって最もリスクが高いのが家族バレ」と指摘する。