震災5年

避難指示 今春の解除難航 福島4市町村 除染やインフラ遅れ

 住民の帰還が進むには生活環境の整備も重要だ。昨年9月に避難指示が解除された楢葉町では今年2月、県立診療所が開所したが、帰還した住民は原発事故前の人口約7400人のうち、わずか6%(440人)。同町の職員は「スーパーや食堂が1軒ずつあるだけで、生活が不便なことも大きい」としている。

 全村避難が続く葛尾村も状況は同じだ。現在は南西に20キロ以上離れた三春町に置いている役場機能を、4月1日に村に戻すことを決めた。だが村議会は2月、不十分な除染や生活環境の不備で「帰還環境が整っていない。時期尚早だ」とする要望書を村に提出した。帰還困難区域を除く避難区域には、418世帯計1353人が住民登録されているという。

 川俣町では、避難指示解除準備区域に504世帯、居住制限区域に51世帯、計1182人が登録している。町によると、古川道郎町長が昨年12月に軽い脳梗塞と診断され現在も入院中で、解除に向けた住民説明会が開けないため、地元との協議が進んでいないという。

 川内村は東部の地区(19世帯52人)について、区域内の除染のめどが立ちつつある。(天野健作、野田佑介)

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 ■避難区域の設定

 避難区域は、放射線量の高い順に「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3つに分かれる。帰還困難区域は立ち入りが原則禁止。国は居住制限と避難指示解除準備の両区域について、来年3月末までに全ての解除を目指す。解除の条件は、(1)空間線量が年20ミリシーベルトを下回る(2)生活インフラが整う(3)自治体の同意-など。

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