主力2行による融資で今月末に返済期限を迎える計5100億円について借り換え後に金利を引き下げることや、3千億円の追加融資といった内容だ。
さらには主力行が保有するシャープの1千億円の優先株を鴻海が買い取るという当初の約束について、値下げを求めるだけでなく、一時は買い取りを拒否する姿勢も示したという。
決めるのは鴻海
主力行関係者の1人は「今、銀行は鴻海に振り回されている状態」と明かす。シャープは鴻海のほかに頼る先がなく、交渉破談、法的整理となれば、主力行は巨額の損失を被る。「鴻海の要求をある程度受け入れざるを得ない」(主力行幹部)状況だ。
今月16日にはシャープの高橋興三社長と主力行の担当役員が、台湾の鴻海本社を訪れ郭台銘会長と協議した。しかし、金融支援については結論が出なかったもようだ。
主力行の幹部は「確約さえあれば、契約が来月にずれ込んでも問題ない。ブレーク(破談)する話ではない」と強調。融資の借り換えを先に行って契約締結を待ったり、返済期限を遅らせたりする案も浮上してきた。